< 2024年05月 >
S M T W T F S
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
プロフィール
gonngoetsu
gonngoetsu
写真は死海で浮かんだときのものです。関東在住の団塊世代です。
鹿児島市には37歳まで住んでおりました。10代の中頃から、エルヴィスとビートルズを聴き初め、いまだに聴いております。
オーナーへメッセージ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 11人
アクセスカウンタ
QRコード
QRCODE

2007年07月01日

恐かった仁王様

1962年

ある夏の、夕方のことであった。

自転車に乗って右側に九州電力鹿児島営業所、
左側に県の工業試験場がある小径を真っ直ぐ突き当たり、左に曲がると
右側の数軒先に我が家がある。

自転車のハンドルには、ビニール袋の中で泳いでいる金魚が下がっている。
すでに夕日は落ち、辺りは薄暗くなっている。

今日は武中学校から帰宅後、友人2人と誘い合わせて、
西駅(鹿児島中央駅)東口の六月灯へ行ったのであった。

我々3人が西駅前の広場についたときはまだ露天の出店は準備中で
夜店の予定地は半分以上が空いていた。

そこで我々は何をするでもなく、
これから両側に賑やかな夜店が出現するであろうことを想像し
テキ屋の人達の動きを見ながらブラブラ歩いていると
金魚すくいのおじさんが声をかけてきたのである。一つの取引の提示であった。

我々3人で西駅の待合室便所からバケツで水を汲んできて
金魚すくいをする水槽に水を入れる。
その見返りとしておじさんは金銭を支払うのではなく金魚すくいのすくい紙を
一人につき5コくれる。ということであった。

ヒマを持て余していた3人は喜んでこの話に乗っかり、約200Mの距離を
水を入れたバケツを手に往復したのであるが、バケツの水を数回入れた位では、
なかなかそう簡単には水槽の水は一杯になってくれない。

思っていたよりはるかに時間と労力のかかる仕事であった。
それでもなんとか頑張り、金魚のすくい紙を手に入れたのであった。

予定外の仕事をしたおかげで帰宅の予定時間を過ぎたのは分かっているが
せっかく3人で楽しく遊んでいるのに、自分1人だけ先に帰るわけにはいかない。
友人2人は帰宅時間など全然頭にない様子である。

六月灯の楽しいひと時を過ごした我々は鼻歌まじりにペタルも軽く
前述の我が家への小径を左に曲がると、
夕暮れの薄暗い向こうに見える我が家の前に誰か立ってこちらを見ているのが
私の目にはハッキリ分かった。

親父である。遠くからも怒りの表情が読みとれる。
まるで我々が帰ってくる時間を知っていたかのようにタイミングを合わせてこちらを
仁王立ちで睨みつけているのである。

3人とも話を中断し、急に重くなったペタルを回しながら我が家の前までくると
友人2人はまだ睨みつけている親父の前から逃げるように通り過ぎて行った。

このことがあってから私の親父はもの凄く厳しく恐いという話が
友人間で定着してしまった。

昭和37年7月親父54才。
私が12才の中学1年生で門限破りをしたときの恐かった親父の話である。

同じカテゴリー(自分史(高校卒業迄))の記事画像
7ツ島
同じカテゴリー(自分史(高校卒業迄))の記事
 串木野村下名 (2007-08-16 00:06)
 市来町湊町 (2007-08-14 00:04)
 高校3年生(Ⅱ) (2007-08-12 00:12)
 高校3年生 (2007-08-10 00:10)
 高校2年生 (2007-08-08 00:08)
 高校1年生 (2007-08-06 00:06)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
恐かった仁王様
    コメント(0)