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写真は死海で浮かんだときのものです。関東在住の団塊世代です。
鹿児島市には37歳まで住んでおりました。10代の中頃から、エルヴィスとビートルズを聴き初め、いまだに聴いております。
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2008年05月25日

悲しみも 涙も怒りも 尽き果てて

悲しみも 涙も怒りも 尽き果てて
             この侘びしさを 持ちて死なまし


みんなみの 露に消え逝く 生命もて
                   朝粥すする 心悲しき


朝粥を すすりつ思ふ 故郷の
                  母よ嘆くな 父よ赦せよ


友の逝く 読経の声を ききながら
               己が逝く日を 指折りて待つ


おののきも 悲しみもなし 絞首台
                母の笑顔を 抱きて逝かむ


明日の日に 如何なる郷に 行くならむ
                極楽とよび 地獄と言ふも


夜は更けぬ しんしんとして 降る雨に
              佛の御召しを かしこみて聴く


つくづくと 幾起き臥しの いや果ての
             此の身悲しき 夜半に目覚めぬ


風も凪ぎ 雨もやみたり 爽やかに
              朝日を浴びて 明日は出なむ


故 陸軍上等兵 木村久夫 昭和21年5月23日チャンギー刑場の露と消ゆ

昭和22年1月、小生の親父が南方より復員の際、復員船「朝嵐丸」に
乗り合わせた方がシンガポール・チャンギー刑務所で処刑された戦犯の方達が
獄中の壁に残された和歌、俳句、漢詩等を一冊のノート書き写されて所持されて
いたものを転写したものです。

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この記事へのコメント
つらいです。
戦犯の中には、ささいな罪で処刑された方々も多いそうですね。
逆に様々な理由で、刑を免れた人もいたようです。
とにかく、戦争など世界中から無くなってほしいです。
Posted by 隣のcat隣のcat at 2008年05月25日 21:29
>戦犯の中には、ささいな罪で処刑された方々も多いそうですね。
捕虜収容所で捕虜の監視任務に就いていた兵隊さん達に
B・C級戦犯は多かったそうです。任務上、捕虜を監視し
取り締まる立場にあったので、立場が逆転するとどうしても
不利な状況に置かれたみたいです。

現地の住民を殴ったという理由で絞首刑ですから。それも首実検で
犯人探しをするわけですから、人違いで連行され絞首台に吊るされた
兵隊さんもいたそうです。
Posted by gonngoetsu at 2008年05月28日 19:50
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