永吉駅(南薩線)①
廃線になって2年後の永吉駅。駅舎の右側に鉄路が走っていた。
駅舎の中には4歳の息子。(1986年夏)
薩摩半島西海岸を伊集院から枕崎まで走っていた私鉄を覚えている人が、
鹿児島県人でどれくらいいるでしょうか。
もの心ついた頃から、親父に連れられ10数年間に渡り、
年2回の墓参りの際に利用した南薩鉄道。
自宅から歩いて3分の西駅(鹿児島中央駅)で国鉄(JR)に乗り、伊集院駅で
南薩線に乗り換えて、伊集院駅から、上日置駅、日置駅、吉利駅、永吉駅まで。
13Km弱の南薩線鉄路の旅でした。子供の頃は、なにかとてつもなく遠くへきた
長旅に感じたものでした。
子供の頃の永吉駅に思いを馳せると、
「駅舎周りの田んぼを、赤とんぼが飛び回っていた。」
「近くの川を木製橋の上から、川面を見ると、ボラの子が泳いでいた。」
「海岸の墓への砂道を歩くと、
松の木の根っ子では逆さまの砂円錐で蟻地獄が獲物を待っていた。」
墓参りの帰り、親父の機嫌が良かった時は、
伊集院駅で伊集院饅頭を買ってもらえる楽しみもありました。
成人してからは、
墓参りはマイカーで行くことになり南薩線に乗ることはなくなりました。
昭和1984年に廃止になる前年の冬は、
女房子供に親父を連れて、薩摩湖駅まで記念乗車したこともありました。
来月は11日から4泊帰省します。
久しぶりに、永吉駅跡に行ってみようと思っています。
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